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『病気にならない生き方』
新谷弘実教授が日本人に向けたメッセージ

 

 
   『病気にならない生き方』という本が、去年(2006年)からベストセラーになっています。著者は、アメリカの医科大学で外科教授をしている新谷弘実(しんやひろみ)氏。
   世界で初めて、開腹手術をすることなく胃腸内視鏡でポリープ切除を成功させた新谷教授。実に9万件以上もの内視鏡ポリープ切除手術を成功させた新谷教授。実に9万件以上もの内視鏡ポリープ切除手術を成功させ、ダスティン・ホフマンやスティングら数多くの著名人からも信頼を集めています。
   そんな新谷氏は、今年(2007年)72歳。丹羽博士とほぼ同じ世代で、著書のなかで『医者になってから45年もの間、一度も病気になったことがありません』と語っているもの共通するところです。
   今回、紹介する新谷教授の本『病気にならない生き方』には、文字どおり、西洋医学の頂点に立つ世界的に著名な氏が実践している健全な日常生活の知恵がいっぱい詰まっています。
   また、いまなお医療現場で膨大な臨床をしている氏が検証する西洋医療の盲点も浮き彫りになり、丹羽博士が常日頃、話していることとの共通項があまりにも多く、ここにその一部を紹介する次第です。
 
   臓器別現代医学は医者をだめにする
 
   まずは、最近の医学が進歩しすぎた弊害として、「最近の医学は医師の専門化が進んだため、人間の体全体を診ることができる医師が少なくなってきています。専門分野しか診ない臓器別医学というのは、とても大切なものを見落としてしまうのではと危惧しています。人間の体はすべてつながっています。たとえば、歯が一本虫歯になっただけでもその影響は体全体におよびます。十分にそしゃくされなかった食物が胃腸に負担をかけ、消化不良を起こし、栄養が十分に吸収されず、体の各所でさまざまな問題が生じるのです。風がふけば桶屋がもうかる、ということわざと人間の体も同じなのです」
   といい、人間の健康は日々の何気ないさまざまなこと、食事、運動、睡眠、生活環境、精神状態などによって支えられていることを強調しています。しかし、現代社会は、このバランスを崩す要因が多く、病気も多岐にわたっているのです。その要因は、お酒やタバコ、食品添加物、農薬、薬やストレス、環境汚染、電磁波などなど。
   そんな現代社会では、自分の体の仕組みを知り、自分の体は自分で守るという明確な意志を持って生活することが大切だといいます。
 
   抗がん剤は猛毒以外のなにものでもない
 
   具体的にどのように気をつけ、生活していけばいいのでしょうか。これを読んでいらっしゃる方は、おそらく自分の健康には非常に注意を払い、さまざまな情報にも精通していらっしゃるかと思います。
   そんななか新谷氏は、常識を信じていると危ないと言います。そのことが記載されている本の目次を一部列記してみます。
 ・流行の健康法にうそがいっぱい
 ・肉を食べてもスタミナはつかない
 ・日本人の胃がん発生率はアメリカ人の10倍
 ・胃薬を飲むほど胃は悪くなる
 ・薬はすべて基本的に「毒」である
 ・抗がん剤でがんが治らないのはなぜ?
 ・牛乳を飲む過ぎると骨粗鬆症になる
 ・ヨーグルト神話に疑問を感じるこれだけの理由
 ・マーガリンほど体に悪い油はない
 ・日本人の体に油ものは適さない
 ・市販の牛乳は「錆びた脂」
 ・白米は死んだ食べ物であり
 ・病気の大半は遺伝よりも習慣に原因がある
 ・農薬を使った食べ物に生命エネルギーはない
 ・臓器別医学は医者をダメにする
   タイトルだけで、うんうんとうなずかれる方もいらっしゃるでしょう。とにかく興味深いテーマが盛りだくさん。
   例えば薬とがんの話。「日本人はとても気楽に薬を服用します。でも、薬はすべて基本的には体にとって毒だということを覚えておいてください。もちろん私も医者なので、必要に応じて患者さんに薬を処方することがありますが、医者にはできるだけ体に負担の少ない薬を選ぶ責任があります。効果が早く現れる薬ほど毒性も強いということを忘れないでください。とくに最悪なのが抗がん剤です。現在の医学ではがんの手術をした後は、がんの転移がまったく見られない場合でも、予防の意味をこめてしばらくは抗がん剤を使うというのがセオリーになっています。でも私は、抗がん剤は猛毒以外のなにものでもないと思っているので、よほどのことがない限り使用しません。たとえば大腸の外側のリンパ腺にがんが見つかったような場合でも、私は抗がん剤は使いません。私の治療法は、まずがんに侵された分部を切除し、目に見えるがんが一応取り除けたら、あとはその患者さんががんになった原因と思われるものを排除していきます。まずはタバコやアルコールの習慣を断つことはもちろん、肉類、乳製品も4、5年は完全にやめてもらいます。そして毎日の生活に幸福感をもっていただけるよう精神面でのフォローもしていきます。こうしてがんが再発しないように体の免疫力を高めていくのが私の治療法です」
   これも丹羽先生がいつも言っていることと見事に一致します。
 
   牛乳は骨粗鬆症をまねく
 
   「食の常識を信じていると命が危ない」の項では、牛乳について触れています。成長期の子供には牛乳を、と昔から水代わりによく飲んでいた牛乳が、実は、「牛乳ほど消化の悪い食物はないといっても過言ではありません。水代わりなど、大きな問題です」と言います。
   「牛乳に含まれるタンパク質の8割を占めるカゼインは胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです。さらに、市販の牛乳はその成分がホモゲナイズ(均等化)されています。ホモゲナイズというのは搾乳した牛乳の脂肪分を均等化させるためにかくはんすることをいいます。なぜホモゲナイズがいけないかというと、撹拌するときに牛乳に空気が混じり、乳脂肪分が過酸化脂質になあてしまうからです。過酸化脂質というのは文字通り、酸化がとても進んだ脂、という意味です。わかりやすく言うと、錆びた脂です。その錆びた脂を含んだ牛乳を、今度は100度以上の高熱で殺菌し、タンパク質も変質してしまいます。ある意味で最悪の食物なのです。その証拠に、市販の牛乳を母乳のお乳の代わりに子牛に飲ませると、その子牛は4、5日で死んでしまうそうです」
   また骨粗鬆症には牛乳を、といわれてきた常識に対しても、医学的検証を交えながら、牛乳の飲みすぎこそ骨粗鬆症を招くと断言されています。「牛乳のカルシウムは小魚などのほかの食物に含まれるものより吸収がよいと言われていますがどれは少し違います。人間の血中カルシウム濃度は、通常9〜10r(100t中)と一定しています。ところが牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇するそうです。そのため一見するとカルシウムがより多く吸収されたように思い勝ちですが、この血中濃度の上昇こそが悲劇をもたらすのです。実は急激にカルシウムの血中濃度が上がると、体は血中のカルシウム濃度をなんとか通常値に戻そうと恒常性コントロールが働き、血中余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまうのです。つまり、カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムはかえって体内のカルシウム量を減らしてしまうという皮肉な結果を招くのです。
   牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界4大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と、骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう」
   肉乳製品の弊害は、これらも何度も丹羽先生が言っていることです。
 

 


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