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NO.66

 

「香辛料」で梅雨をのりきろう!

'05. 6月号

 

じめじめとした梅雨時は、食中毒シーズンであり、
また、だるい・食欲倦怠など、体調にまで影響が出やすい時期です。
そこで梅雨をのりきるための食品「香辛料」を上手に利用していきたいものです。
香辛料には、食欲を増進させる、胃液の分泌を促進させる、消化器官内を殺菌する、
病原菌や食中毒の原因となる菌を殺菌する、防腐剤が強く食品の保存性を高める、食材の臭みを消す、
などの役割があります。

 
・・・しょうが・・・
しょうがの辛味成分「ジンロゲン」と「ショーガオール」には食欲を増進させる働きや殺菌作用があります。
「ジンロゲン」は、食品に対する抗菌作用が強く、魚などによる食中毒を予防します。
また胃壁を適度に刺激してデンプンの呼吸を助けて食欲を増進させる働きがあります。
「ショーガオール」は、酸化防止の働きがあります。またジンロゲンと結合して食材の生臭さを消す働きがあります。

 
 

・・・わさび・・・
わさびの辛味成分「アリルからし油」が食材の生臭さを消す働きがあります。
この辛味成分には、コレラ菌・チフス菌・大腸菌などの病原菌に対しての抗菌作用があり、
「太陽に次ぐほど強い」といわれるほどの殺菌力があります。
また、サバやアジ、ニシン、イカなどに寄生するアニサキスという寄生虫を死滅させる働きがあります。
わさびの辛味成分は発揮性が高いため(ツーンと鼻から抜けるので)
胃腸を荒らさず胃壁を刺激し胃液分泌を促し食欲を増進させる働きがあります。
またデンプンを分解し消化吸収を促進します。

 
 
・・・にんにく・・・
にんにくの独特のにおいのもと「アリシン」は、強い殺菌力があります。
また大腸菌の成長を抑える働きがあります。
「アリシン」は体内でビタミンB1と結合して「アリチアミン」という物質になります。
これが通常のビタミンB1の2倍の働きをし糖質をエネルギーに変換するので、
スタミナアップ・体力の低下予防・疲労回復に絶大な効果があります。
 
※にんにくは豚肉などビタミンB1と一緒に食べましょう。
※にんにくを料理に使うときは「細かくきざむ」「すりおろす」が基本です。
   にんにくの細胞を壊すことで「アリシン」ができるのでこうしないとアリシンが働かないし、
   吸収されやすい「アリチアミン」もできにくくなってしまいます。
※にんにくは油で炒めるとより効果的です。
   「アリシン」は熱には弱いが油といっしょだと分解されにくいのです。

 
 
・・・とうがらし・・・
ピリっとする辛味成分「カプサイシン」が、胃液の分泌を促進し、胃腸の働きを活発にさせ食欲を増進させます。
また消化吸収を助けます。末梢の血管を拡張して血行をよくする働きがあります。
とうがらしを食べると体が熱くなりカッカとしてくるのはそのためです。
「カプサイシン」は、体内の脂肪を分解し、燃焼させる働きがあるので、ダイエットにも効果的です。
食中毒を防ぐ働きがあります。
 
 

   

 

栄養士    高橋 広海             

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